ロケット開発者たちの宇宙との出会い

2016-11-24
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地球を飛び出して宇宙に向かっていく―そんなキャリアに情熱を傾ける人々は、何をきっかけにその道を歩むようになるのでしょうか。H-IIAロケット30号機の打上げ直後、ロケット開発を担うエキスパートの皆さんと座談会を行い、それぞれのキャリア選択のきっかけとなった過去と、見据えている未来について語ってもらいました。

「最初は子供の時に観た宇宙戦艦ヤマトの影響で、宇宙船を作ることに興味を持ち始めました」と手塚宏明さん。手塚さんは、ロケットの構造設計や打上げ業務の経験が豊富で、現在は企画部門で設備投資や人事計画を担当しています。

「私は小学校で天文系の図鑑を読んだ時から、宇宙に心を惹かれるようになりました」と話すのは前田剛典さん。前田さんはH-IIA/Bロケットの第一段エンジンの設計を担当しています。「その時の本は今でも大切にしています!」

液体ロケットエンジンの品質保証を担当する小山友和さんは、この仕事を任されたことがきっかけで興味が湧いてきたようです。「もともと、飛行機に興味があって、航空機整備の勉強をし、三菱重工に入社しました」と小山さん。「その数年後に現在を担当することになり、仕事を通して宇宙開発の面白さを感じるようになりました。」

H-IIロケットの最初の打上げ時から開発に携わってきた五十嵐巌さんは、「父が土木技師で、家に測量器がありました。小学生の頃はそれで月を見るのが好きでした。測量器で月を定点観測すると、あっという間に月が視界から外れていくんです。それで、『わあ、本当に地球は自転しているんだ』と子供ながらに思ったのを覚えています。それから大学生になり、宇宙科学研究所で太陽発電衛星の研究をしました。それがきっかけで三菱重工に入社して現在に至ります。」。

H-IIA/Bロケットの開発に加え、皆さんは現在、知識と経験を生かしてH3ロケットの開発を行っています。2020年に1号機の打上げが予定されているH3ロケット。このロケットにより宇宙ビジネスで日本が大きく前進することになります。「H3ロケットの開発で一番優先させるべきなのは信頼性の高さだと思いますが、衛星がお客様だということも忘れてはなりません。これが、打上げ輸送サービス事業を行う上で大事なところです」と最後に手塚さんは語ってくれました。

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三菱重工業