サーキュラーエコノミーを促進する海の脱炭素化
2022-07-05
国際海事機関 (IMO) によると、現在、世界貿易の約90%を船舶が占めており、船舶からのCO2排出量は世界全体の約3%を占めています。そして、船舶からのCO2排出量は2050年まで増加の一途を辿ると予測されています。
船舶からの海洋汚染の防止等を任務とする国連機関であるIMOは、海運セクターの温室効果ガス排出量を2008年比で2050年までに少なくとも半減させるという目標を掲げていることから、船主は厳しい選択を迫られています。
温室効果ガス排出量を減らすための選択肢としては、クリーンな燃料への切り替え、新しい船舶設計の採用、減速運航などが挙げられますが、三菱重工グループの三菱造船は、新たなアプローチとして、船舶からのCO2排出量削減に貢献する、洋上用CO2回収装置の実証試験を実航海では世界で初めて実施しました。
大型のCO2回収装置が発電所や重工業プロセスで発生した排ガスからCO2を除去することができるのと同様に、これらを小型化して船舶に搭載することで、船舶からのCO2を除去することができます。
以下の図では、船舶から回収されたCO2がどのように運ばれて利用または貯留されるのか、その仕組みを示しています。
まず、小型のCO2回収装置で回収されたCO2は圧縮されて船舶に装備される貯蔵タンクに運ばれます。そして、港湾で陸揚げされた後、地下に貯留されるか、サーキュラーエコノミー(循環経済)の一部として利用されます。
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